看護師アニキの”裏”看護

ベテラン看護師が語る”救急隊員の闇”が怖いくらいに深い

 

先日から始まった看護師アニキの”裏”看護シリーズ。
さっそく第二弾をお届けいたします。

前回のお話はこちら。

なかなかショッキングな内容となっていますので、これからご覧になる方は閲覧注意です。

上の記事で病院が抱える闇についてお話してくれた看護師アニキことT君ですが、今回もねっとりとした闇を語ってくれました。

自宅や野外などの、医療施設以外の場所で患者さんの具合が急変したときに活躍するのが「救急隊員」ですよね。

颯爽と救急車で現れ、素早く的確な判断で患者さんを収容、病院へと運ぶわけですが、実際には彼らにも医療現場の闇があったんです…


救急隊員が抱える闇とは?

ニュースやテレビで何度か取り沙汰されたことがある「病院たらいまわし」をご存知でしょうか。

救急車で病院に運ぶも、病院側が受け入れを拒否してしまうことがあります。

理由としては、病院には病院なりの都合があると言いますか、収納キャパの問題だったり、人員不足だったりと、受けたくても受けられないのが現実なんだそうです。

とくに、患者さんの病状が悪化することが多い夜間は病院も少なく、当番病院に運ばざるを得ません。

当然、日中よりも数が少なくなるので豊富に受け入れられるはずがありませんし、内科の症状の患者さんを外科に連れて行かざるを得ない事態が発生します。

これが「病院たらいまわし」の実情で、決して救急隊員が悪いわけでもなければ、だからといって病院側が100%悪いとも言い切れないのが現状です。

 

実際にT君も夜勤で受け入れ要請を何度か受けたことがあるそうですが、医者の判断次第ではお断りすることも確かにあるとのことでした。

そうなると困るのが救急隊で、具合の悪い患者さんを載せたまま延々と病院周りしなくてはならなくなります。

どんどん悪化する症状と現状、あなただったらどうしますか?

気持ちとしては患者さんを放置して逃げたくもなるところですが、もちろんそうはいきません。

断られ続けても救急隊の方達は病院を回るしかないんです。

少子高齢化が救急隊員にとどめを刺す

救急隊が抱える闇が露見したところで、さらにもっと深い闇をご覧に入れましょう。

人手不足が叫ばれるようになって久しい我が国日本ですが、これからさらに悪化の一途をたどります。

そう、少子高齢化の波が本格的にやってくるからです。

いわゆる「2025年問題」ってやつでして、団塊世代が2025年に後期高齢者になります。

人口の中でも大きな割合を占める団塊世代が高齢者となるということは、いっぺんに大量の老人が増えることになり、働き手も少なくなるのが容易に想像できますよね。

それどころか、老化による病気や介護などでますます医療業界は人員不足が加速していくのが目に見えているわけです。

ひっきりなしに救急車要請がセンターでけたたましく鳴り響き、救急隊員は寝る間も惜しんで職務に従事しなければならなくなります。

考えただけで恐ろしいですね…


アニキの実体験も闇が深い件

ここからは、T君が救急隊員とのやりとりで忘れることができないという、とっても深い闇についてお話していきましょう。

T君が夜勤に入っていた、ある夜のことでした。

(今日は救急入らないといいなぁ)

なんて考えたときに限って、受け入れ要請が来るのはなぜなんだろうとT君はぼやいていましたね。

お察しの通り、救急隊からの電話が入ったわけですが、その内容というのがひどく珍妙だったそうです。

「こちら救急隊です。患者さんの受け入れをお願いします!」

「はい、患者さんの症状を教えてもらえますか?」

「はい!妊娠38週の妊婦で、ひどく興奮した状態です!」

いやいや。

おかしいでしょ。

だって、ここ精神科よ?

そう、T君の勤務先は精神科で、主に徘徊やボケた(失礼)患者さんの受け入れ先です。

なのに、なぜこの救急隊は電話してきたのだろうか。

 

 

T君が詳しく事情を聞いてみたところ、最初はもちろん産婦人科に受け入れ要請をお願いしていたが、複数の病院から断られたため、精神科の受診履歴があったのを良いことに電話してきたとのことでした。

しかもこの患者さん、T君の病院が担当している区域外の方で、隣町から救急車を走らせてると聞いて2度びっくりしたそうな。

具体的な数は聞きませんでしたけど、数軒の病院に断られていて救急隊の方が困っているのが手に取るように分かったので、一応担当医に確認を取ってみたところ、残念ながら妊婦にできることはないので断りなさいとの指示を受けました。

その旨を伝えると明らかにがっかりした声を発したので、気の毒になったT君は今できることを救急隊に伝えたそうです。

「どなたか付き添いの方は同乗していますか?」

「患者さんのお母さんがいらっしゃいます!」

「では、お母さんに替わってください。」

ここで同乗していた母親とチェンジ。

「娘がひどく暴れていて困っています!」

「お母さん、まずは落ち着いてください。」

「今こちらの病院に来ていただいても、正直言ってできることはありません。」

「現在できることといえば、娘さんの様子を見て、なだめるくらいしか方法がないのです。」

「落ち着いたら、明日の朝9時に然るべき病院やかかりつけのクリニックに行ってください」

救急隊から患者さんが落ち着きを取り戻しつつあるとの報告を聞いていたため、急患ではないと判断して、このように指示をしました。

なんとか納得してくれたようで、その後のことはわかりませんが、ここでようやく電話が終わったそうです。

事態を治めるために要した時間は驚異の2時間

実はこの話、めちゃくちゃ端折ってまして、実際には上記のやり取りをトータルで2時間くらい繰り返していたそうです。

ぜんぜん笑えない。

なにが笑えないって、まずベテラン看護師1人と救急隊員2名が2時間も1人の患者さんに拘束されていたこと、そして、救急隊員の方が自己判断で患者さんを下せないことです。

もし応対中に在来の患者さんが急変していたら?

そう考えるとぞっとしますね…

救急隊員の方も同じで、もっと切羽詰まった病状の患者さんが救急車を待っていたかもしれませんよね。

まぁ、そこは”たられば”になってしまうので、明確な答えは出せないと思います。

ただ、救急隊員が独自の判断で患者さんをどうこうできないことに関しては、現代医療の問題点だと感じました。

極端な話、医者や看護師が間違った指示を出したとしても救急隊員は受け入れるしかなく、その結果、患者さんが死亡することも充分にあり得るわけです。

そうなってしまったら本末転倒ですから、ある程度の自己判断は必要なんじゃないかとわたしは思いました。

あくまでもド素人の意見ですし、現場を実際に見たわけでもないのでこれが100%正解だ!とは口が裂けても言いません。

でも、一度救急車に載せてしまったらなんとかしなければならず、だからといって大したことのない病状の患者さんを連れてあっちこっちたらい回しにされるのはいかがなものかなと、個人的には考えています。


救急隊員のジレンマとストレスはまだまだ続く

というわけで、看護師アニキ第二弾のお話でした。

「救急隊員って、大変なんだろうなぁ」とは思っていても、実際にどんな悩みがあって、どんなストレスを抱えているのかまでは想像したことがない人が大半でしょう。

今回紹介したような”闇”は極々一部に過ぎず、現場の彼らはわたしたちには計り知れないほどつらい想いをしているのかもしれません。

その気持ちを慮ることはできませんが、少なくとも不要不急の119番だけはしないように、わたしたちが気を付けなければならないと、T君の話しからわたしは学びました。

今後もアニキのお話は続きますので、ぜひ定期的に当ブログを覗いてみてくださいね。

 

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うす毛のおっさん
30歳を過ぎたあたりから「あれ?おまえアタマやばくね?」と周りから言われるようになりました。 最初は「え!マジで!?」みたいな大きなリアクションをとっていましたが、今ではノーリアクション! うす毛なんか気にしない!・・・つもり Twitter始めたので気軽にフォローお願いします。@usugeburoger